鈴木 伸隆 | 日本語・日本文化学類とは | 日本語・日本文化学類 筑波大学 人文・文化学群

日本語・日本文化学類とは?
What is "Nichi-Nichi"?

教員の紹介Faculty

鈴木 伸隆SUZUKI Nobutaka

  • 人文社会系(国際公共政策専攻)教授
  • 文化人類学

Cultural anthropology

主な担当授業

現代日本社会概論・多文化の中の日本・日本文化研究フィールド実習Ⅱ など

研究分野の紹介

専門は文化人類学で、特に東南アジアと日本を対象にして研究しています。かつては、市井に生きる人々の生活に興味があり、フィリピンの開拓村にてのべ2年間の調査を行いました。その後、仲間と共同研究するうちに、人々の行動や意識を規定するイデオロギーや様々な政治的な言説といった上からの大きな力を視野に入れて、調査研究する必要を感じて、今に至っています。

研究業績

  1. 「世界遺産観光と地域経済―フィリピン・イロコス・スール州の歴史・都市ビガンの事例から―」『国際公共政策専攻論集』第37号(2016年)
  2. 「The Trajectories of Colonial Education and Muslim Filipinos under American Rule」『Islam and Cultural Diversity in Southeast Asia』(2015年)
  3. 「ムスリムの再生を願うコロニアリズム:米国植民地行政官ナジェーブ・サリビーの『モロ問題』を通して」『東南アジアのイスラーム』東京外国大学出版会(2013年)

これまで指導した主な卒業論文

  • 日本の打ち上げ花火製造・販売業者の地域的展開と業者間の連携・競合関係
  • 日本人にとってのイラク戦争
  • 補陀落渡海における新民衆像―異人排除と救世主への転換―
  • 日本における宗教組織と社会の軋轢

メッセージ

私にとっての研究の原点は、大学・高校時代に触れた著書の中にあります。フィリピンへの留学と現地調査のフィールド先を決めたのも、『バナナと日本人―フィリピン農園と食卓のあいだ―』(鶴見良行著:岩波新書)との出会いからです。日本と東南アジアのゆがんだ関係が、実は安い、栄養価があると手放しで喜んでいる果物にこそ潜んでいることを教えてくれます。一方『タテ社会の人間関係』(中根千枝著:講談社現代新書)も、社会を分析する上で、「構造」という概念があることを教えてくれた最初の著書です。自分の意思で考えながら日々生きているにも関わらず、人はその生まれ育った社会の「構造」(パターン)に支配されているのです。見えるバナナや人の行動を問題発見のための導入として、その裏にあり、全体を覆うような不可視な構造にアプローチするという点で、この二冊が似ていると発見した時、自分が何に興味を持っているのか教えられました。いつかこの2冊を超えるものが書いてみたいと、私なりに思っています。


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