教員の紹介Faculty
江口 真規EGUCHI Maki
- 人文社会系(国際日本研究専攻)助教
- 日本近現代文学、比較文学、アニマル・スタディーズ
Modern Japanese Literature / Comparative Literature / Animal Studies
主な担当授業
日本文学と文化・日本の文学概論・世界文学と日本文学 など
研究分野の紹介
文学作品における動物の表象について、特に羊に関する日英比較文学研究と、その理論的枠組みとなる「アニマル・スタディーズ」を研究しています。
アニマル・スタディーズとは、動物と人間の関係や共生のあり方を考察するための人文学や自然科学を融合した研究で、近年では学際研究の一領域として成立しています。アニマル・スタディーズが興隆した文化的・社会的背景や議論点(動物の権利、動物の福祉、肉食の是非など)、アクティビズムとの結び付き、海外における教育研究機関の現状について調査し、日本文学・文化からのアプローチの可能性を探っています。
研究業績
- 『日本近現代文学における羊の表象――漱石から春樹まで』(彩流社、2018年)
- 「安部公房作品における羊の表象――満洲の緬羊飼育との関係から」『比較文学』第58巻、69-81頁、2016年3月
- “The Representation of Sheep in Modern Japanese Literature from Natsume Sōseki to Murakami Haruki,” in The Semiotics of Animal Representations, pp. 217–238, eds., Kadri Tüür and Morten Tønnessen, Amsterdam: Rodopi, 2014.
これまで指導した主な卒業論文
- 『はだしのゲン』をめぐる受容の変遷――原爆漫画と少年漫画という異なる側面に着目して――
- 1960年代の女性誌と三島由紀夫――「愛の疾走」に描かれた女性像を中心に――
- 日本における狐との異類婚姻譚――時代ごとの変化に着目して――
- 川端康成『雪国』の原文と英訳文の比較――「自然観」に注目して――
メッセージ
私は筑波大学の比較文化学類出身です。大学時代に出会った友人や先生、学問、昼夜問わず読み耽った小説や映画、鈍行列車や馬で旅してまわった国内外での経験が、現在の研究者としての自分をかたちづくっていると感じます。
高校を卒業するまで、出身である九州をほとんど出たことがありませんでしたが、つくばでは世界に目を向けると同時に、日本の中の多様性と海外における日本文化の受容に関心を持つようになりました。そのひとつが、日本の羊とアニマル・スタディーズという研究テーマです。
大学では、日本語・英語に限らず様々な言語を学習することで、将来の可能性を広げるとともに、日本文化を客観的に捉える姿勢を身に付けてほしいと思います。夏休みや春休みに、研修や留学に行く機会もあるかもしれません。日々の授業や課外活動を通して“eye-opening”な経験を積み、自分の頭でしっかり考えることを学んでください。