日本語・日本文化学類とは?
What is "Nichi-Nichi"?

教員の紹介Faculty

澤田 浩子SAWADA Hiroko

  • 人文社会系(文芸・言語専攻)准教授
  • 言語学・音声コミュニケーション研究

Linguistics / Speech communication studies

主な担当授業

日本語の談話(同演習)、世界の言語と日本語、日本語談話研究フィールド実習、日本語・日本文化国際研修 など

研究分野の紹介

コミュニケーション論や構文論が専門です。特に、私たち人間が、他者や社会に対してある印象や知識を形成していく過程で、どのような認知行動や言語行動が関わるのかに興味があります。

私たちが生きて、生活していくうえで、他者とのコミュニケーションは避けて通れませんが、そのなかでも「おしゃべり」は、私たちが社会と関わり、社会に対する認識を持つ上でとても重要な役割を果たしています。私たちは「おしゃべり」の中で互いの経験や意見を語り合ったりしますが、そうすることで、私たちは会話の相手とコミュニケーションしているだけでなく、そのおしゃべりの背景にある「日本語社会」とコミュニケーションしているのだと思います。

私たちは、何をしゃべることで、そしてどのようにしゃべることで、社会とコミュニケーションしているのでしょうか。普段のなにげない「おしゃべり」が研究対象ですが、構文、文法、イントネーション・パターン、談話構造など、あらゆる角度から「リアルな日本語社会」を写し取っていきたいと考えています。

研究業績

  1. 「知覚・思考・判断・意志を表す「文末名詞文」の使用実態―コロケーションから文型へ―」『日本語/日本語教育研究』第5号、ココ出版、2014年
  2. 「味覚・嗅覚・聴覚に関する事象と属性」影山太郎(編)『属性叙述の世界』くろしお出版、2012年
  3. 「「彼は親切な性格だ」と「彼は性格が親切だ」—中国語から日本語を考える—」砂川有里子・加納千恵子・一二三朋子・小野正樹(編著)『日本語教育研究への招待』くろしお出版、2010年
  4. 「音声コミュニケーションにみられる発話キャラクタ」(共著)定延利之・中川正之(編)『音声文法の対照』くろしお出版、2007年
  5. 「描写に関する個とステレオタイプ―談話から見る中国語の「存現文」―」中川正之・定延利之(編)『言語に現れる「世間」と「世界」』くろしお出版、2006年

これまで指導した主な卒業論文

  • 難易表現に関する日中対照研究―人間は自己をとりまく環境とのかかわりの中で難易をどう認識しているのか―
  • 掲示・標識における禁止・依頼表現の日中対照研究―場面によって異なるポライトネス・ストラテジーを用いる日本語―
  • 接尾辞「-感」の前接要素の意味的制約について―名詞・オノマトペ用法から節的用法まで―
  • 島根県の方言に現れる性差―文末表現に着目して―
  • 団らんを構成する緩やかなコミュニケーション―会話ルールからの逸脱が許容される会話とは―
  • 会話の切り上げおよび引き延ばしのサイン―会話終結と対人関係の狭間でヒトはどう行動するか―
  • 多人数会話における「あいづち」・「うなずき」と聞き手の参与構造

メッセージ

授業では、生活の中でことばを見つめ、分析する力を身につけてほしいと思っています。「日本語フィールド実習」では、夏休みに1週間フィールドワークに出かけ、その地域の言語生活を観察し、調査を行います。初めは戸惑っていた学生も、みな数日のうちにメキメキとコミュニケーションに対する観察眼を伸ばしていきます。「どんどんいろんなコトが見えるようになる!」体験を得るには、環境と集中力が大切だと感じます。

また、合宿中には他の先生方や地域の方から学ぶことが多く、改めて大学というのはともに学ぶ場だということを実感しています。

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