葛西 太一 - 日本語・日本文化学類 筑波大学 人文・文化学群

日本語・日本文化学類とは?
What is "Nichi-Nichi"?

教員の紹介Faculty

葛西 太一KASAI Taichi

  • 人文社会系(国際日本研究専攻)准教授
  • 日本上代文学

Ancient Japanese Literature

主な担当授業

日本文学と文化、日本文学の歴史、中国文学と日本文学 など

研究分野の紹介

*

主に『日本書紀』を対象として、八世紀初頭の漢字を用いた文字表現を研究しています。

固有の文字を持たないなかで日本の神話や歴史を文字記載するにあたっては、漢語漢文に不慣れな日本人が漢字を用いて文字記載することの難しさに、あるいは和語和文に不慣れな渡来人が漢語漢文で日本のことを記述することの難しさに、それぞれ直面していたはずです。

手本とした漢籍のみならず、百済や新羅の故地から出土した金石文とも比較しながら、どのような影響のもとに当時の文字表現が成り立っているのか明らかにしたいと考えています。

 

研究業績

  1. 『日本書紀段階編修論―文体・注記・語法からみた多様性と多層性―』(花鳥社、2021年)
  2. 「日本書紀β群の表現とその特質」(日本漢字能力検定協会 編『漢字文化研究』第11号、2021年3月)
  3. 「日本書紀の六合と葦原中国」(古事記学会 編『古事記年報』第64号、2022年3月)
  4. 「日本書紀β群における「皇」字の意義―神武紀「皇祖天神」の解釈に向けて―」(東京大学国語国文学会 編『國語と國文學』第99巻第11号、2022年11月)
  5. 「自時以来と自是以来―豊後国風土記の文字運用の一端―」(笹原宏之・澤崎文 編『日本文学研究ジャーナル』第24号「特集:上代文献と漢字」、2022年12月)

メッセージ

*

いわゆる「日本文化」とは何でしょうか。

海外の文化と比べて特徴を理解する方法もありますが、古典文学を通じて過去と現在を比較すれば、同じ日本の中でも時代や地域や人によって価値観が異なることに気付くことができるでしょう。一つの文献であっても多様な文化的背景のもとに成り立つものであり、同じ文献であっても時代に応じて異なる解釈が与えられることを、古典文学は教えてくれます。

文献に残された文字と表現とを手掛かりにして、身近に感じられる「日本文化」とは何か、一緒に考えましょう。


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