モスクワ市立教育大学(2015年6月) - 日本語・日本文化学類 筑波大学 人文・文化学群

異文化交流
International Exchange

海外レポートOverseas Report

モスクワ市立教育大学(2015年6月)

2015/06/30 ロシア 坂井香澄

夏の日差しが降り注ぎ、汗ばむ季節となりました。ロシアは1年中寒いと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。モスクワの夏は日本の夏と同じ位気温が高くなります。ただ湿度はそれほど高くないため、大変過ごしやすいです。

さて、6月のモスクワ市立教育大学はというと、一気に期末試験ムードが高まってきます。私も担当している初級日本語会話のクラスで期末試験を行いました。1学期間の総まとめという大きな試験問題を作成したことがなかったため、手探りの状態で始め、90分の試験時間の中でどのようにして一人ひとりの日本語運用能力を測ればよいのかと大変悩みましたが、こちらの先生のご指導もあり、無事に試験を行うことができました。

また、6月の中旬には、国際交流基金主催の日本語講座で実施されたビジターセッションに3日間参加しました。この講座は、平日の夜間に行われている無料の講座で、受講者は主に社会人などの大人で日本語を勉強したいと思っている方たちだそうです。講座は毎年大変な人気で受講するために審査があり、何年も応募し続け、ようやく受講できるようになる方も少なくないそうです。実際にビジターセッションで交流をした受講者の方々は仕事終わりに授業に参加しているにも関わらず、集中を全く切らさず、楽しそうに授業に参加していました。

さらに、同じ週に「日本の夏の習慣・風物詩とロシアの夏の習慣・風物詩」について話し合う交流会にも参加しました。この交流会も主な参加者は社会人の方々で、趣味で日本語を学び始めた方ばかりでした。

これまで私はこの留学の中で、学校の科目やクラブ活動として日本語を勉強している中学生や高校生といった年少者や、私と年齢の近い大学生としか関わったことがなかったのですが、この2つの活動を通して、学校以外の教育機関で学ぶ、私よりも何十年も人生経験の長い大人の学習者の方と関わり、学習意欲の高さに驚くとともに改めて、子供たちの学習意欲を高め維持していくことの難しさを痛感しました。

約10ヶ月間の日本語教育実習を通して、日本では出来ない様々な経験をさせていただくことができました。人々との交流の中で新たな問題意識も芽生え、自分の今後の進路についても深く考え直すきっかけにもなりました。この留学を支えてくださった筑波大学、モスクワ市立教育大学の先生や事務の方々、そして実習に協力してくださったシュコーラの先生方、学生の皆さん、様々な場面で支えてくださった方々・・・・。本当に多くの方に支えられて、実りの大きい留学とすることができました。本当にありがとうございました。今後も、この留学で得られたことを糧として頑張っていきたいと思います。


ページ上部へ