モスクワ市立教育大学(2015年2月) - 日本語・日本文化学類 筑波大学 人文・文化学群

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モスクワ市立教育大学(2015年2月)

2015/02/28 ロシア 坂井香澄
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こんにちは。今月は学業から少し離れて、休暇中のことについてお話ししたいと思います。現在私が留学生として受講しているロシア語の授業は、新年1月3日から授業が始まりました。しかも通常授業ではなく、初回からテスト!私はお正月の三が日はのんびり過ごせるものと思っていたので、新年の授業開始日を知った時にはかなりの衝撃を受けました。しかし、その代りなのかはわかりませんが、1月の後半には1週間のお休みがありました。その休みを利用して、ムルマンスクという街に行ってみることにしました。ムルマンスクはサンクトペテルブルグよりも北にあるロシア最北端のような街です。

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この思いがけない休暇のおかげで、ずっと夢だった夜行列車の旅をすることができました。モスクワからムルマンスクまでは片道約37時間の長旅で、その間ずっと同じ席で過ごします。行きの列車は解放寝台と言って、1つの車両にたくさんの二段ベッドが押し込められたプライバシーも何もない、ただ寝るだけの場所のようなところでした。列車に乗り込み、指定された席を探していると、体格の良いおじさんが「何番を探しているんだい。」と話しかけてくれました。私の席はそのおじさんのちょうど向い側だったようで、「それなら、ここだ。」と教えてくれました。大きな荷物を背負ってやってきたアジア人に対して、周囲の人は警戒する様子もなく、私の背負っていた重いリュックサックを軽々と二段ベッドの上にある収納棚に乗せてくれたり、「ここに来て、お茶を飲みましょう。」と声をかけてくれたりしました。帰りの個室寝台では働き盛りの若い男性が夜中に乗り込んできたので少し警戒していたのですが、朝になって話してみるととても気さくな方たちで、一緒に映画を見たり、日本や日本語について話したり、家族のことについて話したりしました。

今回の滞在では人のあたたかさに触れるとともに、留学生に慣れていない人とロシア語で話すめったにない良い機会となりました。その国の言葉を理解し話すとともに、日本についても自分の言葉で表現できることの重要性を改めて痛感した旅でした。

さて、2月から始まる新学期には大学でTAとしてではなく、一教師として授業を担当させていただけることになりました。留学生活も後半戦に突入し、これまで以上に実習にも熱が入ります。春学期が楽しみでもあり、大学での授業は不安でもあります。与えていただいた機会を最大限生かせるよう、頑張ります。


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