モスクワ市立教育大学(2015年1月) - 日本語・日本文化学類 筑波大学 人文・文化学群

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モスクワ市立教育大学(2015年1月)

2015/01/31 ロシア 日暮康晴
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あけましておめでとうございます!日暮です。年が明けて2015年、年が明けて初の更新は、ロシアのお正月・クリスマス事情についてお話ししようと思います。

11月の更新の際にもちらと触れましたが、ロシアにおいて「お正月」と「クリスマス」は日本人の感覚よりもイベントとして近い、というかほとんど同時期のイベントとして捉えられているようです。

ロシアで使用される暦には、日常の日付として日本を含め世界中で使われているグレゴリオ暦の他にもう1つ、ユリウス暦というものがあります。ユリウス暦は、ロシアの宗教として代表的なものであるロシア正教で用いられているカレンダーで、グレゴリオ暦の日付より2週間遅くなっています。というわけで、ロシアではクリスマスはユリウス暦12月25日、つまり、日常の日付でいう1月7日に祝われるのです。

ですので、ロシア人にとっては「お正月の準備」とはクリスマスツリーを出して飾り付けを行うことであり、1月1日に年明けを祝い、その後1月7日にクリスマスを祝います。12月25日、1月1日を過ぎても街からサンタクロースやクリスマスツリーが消えない(どころか、「あけましておめでとう!」の言葉とともに飾ってある)というのは少々違和感のある光景でした。ちなみに、ロシアのサンタクロースは「サンタクロース」ではなく「ジェットマロース(極寒爺さん)」と呼ばれます。ソ連時代、宗教が禁じられた時に聖人の名である「サンタクロース」という名称が使えず、宗教色のない名前に変えられて、今でもそれが定着しているというのがその理由です。

12月31日の夜、僕はロシア人の友人の家のパーティに呼ばれました。テレビでは日本の紅白歌合戦のように歌番組があり、日付が変わる5分前になるとプーチン大統領の生演説が放送されました。スピーチが終わると同時に日付が変わり、シャンパンの栓を抜き、乾杯!画面では赤の広場の鐘が鳴る映像が流れ、その後でロシア国歌が流れていました。カウントダウンを赤の広場で祝う人もかなりいるそうです。日付が変わると夜通しあちこちで打ち上げ花火が上がります。花火というと日本では夏の風物詩として扱われることが多いですが、ロシアではお正月のシンボルという印象が強いようで、年が明けてしばらく数日間は、花火が鳴り止むことはありませんでした。1月も半ばを過ぎた今では、さすがにようやく落ち着いていますが・・・・。

同じなようでちょっと違うロシアのお正月・クリスマスですが、その辺りの時期になると大きなプレゼントを抱えた人の姿もよく目にするようになりました。やはり、時期や祝い方が違っても、クリスマスはクリスマスとして、皆楽しみにしているようです。

留学生活も長いのか短いのか、まもなく折り返し地点です。勉強にも本腰を、というのはもちろんですが、それ以外にも日本では経験できない色々なことに触れることができたらなと思います。それでは!


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