海外レポートOverseas Report
モスクワ市立教育大学(2015年3月)
未だに時折雪が降る日もありますが、暖かい日は日中プラス8度にもなり、厳しかった冬も想定内の厳しさ程度で終わりつつあります。3月に入り、モスクワも少しずつ春に近づいているようです。こんにちは、日暮です!
日本では受験や卒業シーズンということで忙しい時期かと思いますが、学年暦が秋から始まるロシアでは、2月から学年後半の春学期が始まりました。ロシア語の授業を受け、シュコーラ(初等・中等教育機関)の日本語クラブのお手伝いに行き、大学では日本語の授業のお手伝い、というところまでは先学期と変わらないのですが、それに加え今学期からは授業を担当させていただくことになりました!
自分が担当することになったのは大学の日本語学科1年生の会話の授業。学生たちには沢山喋ってもらおう!と思うところまでは良いのですが、1週間に1回だけとはいえ、どんなトピックが面白いだろうか、どんなことができるだろうか、どのようにすれば学生を退屈させることなく授業を進められるだろうか・・・・といろいろと考える必要があり、授業準備は楽しい反面かなり大変です。また実際に授業を行ってみると、予想と違う学生の反応や予想外の質問など予定にないことばかりで焦ってしまうことも時にはあります。日頃授業の進め方や教え方について考えていても、実際授業を行ってみると、理想と現実のギャップの大きさを感じざるを得ません。とはいえ、学生たちから見れば自分は『先生』であるということには身が引き締まる思いがしますし、それに自分の用意した内容が学生たちの新しい学習や発見に繋がっているという実感はやはりとても嬉しいものです。しっかりと、でも楽しく、様々なバランスをとりながらより良い授業を行えたらと思います。
また、2月中頃の1週間ほどの休みには、リトアニア・ラトビアへ行ってきました。
リトアニアでもラトビアでも色々な博物館を見学しましたが、それぞれの国に背負っている大きな歴史があるのだなということを、当然の事ながらも改めて強く感じました。それぞれ首都の旧市街地散策などもしましたが、古い建物の並ぶ石畳の街はとても美しく、ただ散歩するだけでも充分楽しめました。どちらの国も旧ソ連ということでロシア語が通じましたが、建物など街の様子はかなりヨーロッパ的。とはいえ一方でソビエト時代の面影も残っているというような、不思議な雰囲気でした。ラトビアのリガでは以前日研生として筑波大に留学していた方にガイドをしてもらいました。国を超えてこのような繋がりが続くことも、留学の意義のひとつだと感じます。
旅行から戻って、モスクワという街は本当に『大都市』だなということを改めて考えるようになりました。留学生活は折り返し地点を過ぎ、残りはもう半年もありません。授業や研究などのやるべきことは目の前に積み上がっていますが、この街で見ていないもの、やり残していることにも少しずつでも目を向けられたらと思います。