チューター体験記Tutor Experience
元谷真綾&LELWALA LOKUGE, Githma Govindi(スリランカ・日研生)
私がチューターをすることになったのは、先生からお声掛け頂いたことがきっかけでした。
4年生にもなってお恥ずかしい話ですが、それまではチューター制度について「聞いたことはあるな…」程度の認識で、自分には無縁の話だろうと思い込んでいました。
そんな自分がチューターをすることになるとは夢にも思いませんでしたが、卒業を目前に「大学生らしいことに取り組むラストチャンスだ」と感じ、チューターに挑戦することを決意しました。
とはいえ、活動が始まる前は「日本人相手ですらコミュニケーションが苦手な自分に、留学生のサポート役が務まるだろうか…」という不安がありました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により日研生の来日が延期される中、チューターとしての仕事はオンライン授業のサポートから始まりました。
そのほか、週に一度はLINEでビデオ通話をするなどして、日本語でおしゃべりをしていました。
お互いの国や大学の話、日本に来たらやってみたいことなど、他愛もない会話をするうちに「日研生の役に立ちたい」という気持ちが自然と芽生え、また、強くなっていったのを覚えています。
担当させて頂いたゴーヴィンディさんはスリランカの方だったので、オンラインでのやりとりでは時差で対応が遅れないように気を付けていました。
学期が始まってからおおよそ2か月後に日研生の来日が叶い、市役所での手続きや銀行口座の開設、大学の案内など生活立ち上げの支援を行いました。
実際に活動する前は「口座開設」「保険加入」などの字面から「責任重大だ…」と緊張していましたが、事前の業務説明では先生に詳しく説明して頂けましたし、何より市役所や銀行の窓口の方が親切に対応して下ったので、要らぬ心配でした。
対面でのチューター業務が始まる前は、「チューターは日研生の生活環境・学習環境を整えてあげなくてはいけない」と必要以上に気負っていましたが、任期を終えた現在は「基本的に日研生の主体性に任せ、彼らが助けを必要とした時のみ支援する」というのが上手くいくスタンスなのかなと感じています。
コロナ禍のため、一緒に外食をしたり遊びに行ったり…といった友人らしいことはできませんでしたが、大変な時に来日して頑張っている日研生の存在は、チューターである私にとっても励みになりました。
また、日研生からの質問や相談の中には自分の知識だけでは解決できないものもあり、その都度調べて答えていたので、私自身とても勉強になりました。
留学経験も無く、外国人の友人もいなかった私にとっては、とても得るものが多かったです。
「しっかりサポートしなければ!」と構えすぎて空回りすることもありましたが、先生や他のチューターさんに助けて頂きながら、楽しく活動することができました。
チューターの経験を通して得られる発見や学びは、どのような進路の方にとっても糧になると思います。