海外レポートOverseas Report
ユライ・ドブリラ大学プーラ(2019年1月)
Sretna Nova godina(クロアチア語で「あけましておめでとうございます!」の意味です)!
日日卒業生で、現在クロアチアのプーラ大学で1年間日本語教育実習をしている中嶋さくらです。
さて、2回目の海外レポートでは、年末年始の過ごし方を中心に、クロアチア(今回はスロベニアも)での生活についてレポートをしたいと思います。
みなさま、冬休みはいかがお過ごしでしょうか。
私はクリスマスとお正月は、クロアチアの隣の国スロベニアの首都リュブリャーナで過ごしました。
プーラからリュブリャーナまでは車で2時間半~3時間ほどです。途中でパスポートチェックはありますが、日本よりずっと簡単に国境を越えてしまいます。
スロベニアとクロアチアは、もともと「ユーゴスラビア」という国でした。どちらも1991年にユーゴスラビアから独立し、現在はEUの加盟国です。
もちろん今は別々の国ですが、隣国ですし、日本での生活がスタンダードである私にとっては、生活のいろいろなところで似ているな、面白いな、と感じることがたくさんありました。
例えば、クロアチアでもスロベニアでも、物を大切に、長く使うことが当たりまえです。
面白いことに、私が住んでいるプーラのアパートにある棚、ソファ、お鍋と、日日学類時代にスロベニアのリュブリャーナ大学で留学した際にホームステーをさせていただいたホストファミリーの家にある棚、ソファ、お鍋が全く同じものでした。
なぜでしょうか?
答えは、どちらもメイド・イン・ユーゴスラビア、つまり30年以上前に買ったものだからです。
「物を買ったら、直しながら30年以上使うのは普通のこと。」
と友人に言われ、驚いてしまいました。
また、食べ物や食事についても買わずに手作りすることが多いです。
レタス、トマト、じゃがいも、ニンジン・・・日々の調理に使う野菜は家庭菜園でつくっていて、節約(?)するそうです。
ジャムやソースも市販のものを買わず、スープも肉や野菜から出汁をとります。
もちろん、全ての家庭がそうではありませんが、便利なものがたくさん売っているからこそ「できるだけ手作りしよう!」とする気持ちをもっていることは素晴らしいことだと思います。
もちろん野菜や肉で一から出汁をとったスープは絶品です・・・!!
また、クリスマスと新年に関するとらえ方が日本とは異なることに気が付きました。
日本ではクリスマスは恋人や友人と過ごす、いわば「イベント」で、お正月は家族で過ごす「伝統行事」です。しかし、キリスト教圏であるクロアチアやスロベニアでは、クリスマスは家族で過ごし、新年をイベントとして考えているように思います。
私がクリスマスを過ごしたリュブリャーナではクリスマスディナーもそれほど豪勢ではなく、伝統的な肉のペースト(tatarski omaka)などをトーストに塗って食べることが慣習だそうです。
私自身はプーラで日本人の実習生と生活しているため、家での生活習慣は日本とそれほど変わっていません。でも、一歩家の外に出ると、生活のあちこちに、「なるほど、そう考えるのか」「あ、おもしろいな」という小さい発見がたくさんあります。
今は偶然発見することが多いですが、それを意識的に見つけられるようになると、もっともっと毎日楽しく過ごせるようになるのではないかと思っています。
先日は、大きなスーパーに買い物に行きました。
大晦日でとても混んでいましたが、そんな中、全部のレジのクレジットカード機能が停止し、「現金でお支払いください!」という店内放送が流れました。
日本では現金を持っているのは普通のことですが、こちらではたくさん買うときはカードで払うのが当たり前。しかも大晦日でみんな買い込みたかったようです。
放送後は周りがざわつき、「私現金ないのよ!」と困り顔の人、財布を確認し、どの商品を戻すか話し合う人。
「カードか、現金か」、お金に関する習慣の違いがよく分かった出来事でした。(ちなみに、現金主義の私は問題ありませんでした(笑))
クロアチアに来てはや4か月が過ぎ、慣れてしまった部分もあります。
海外レポートを書くことで気持ちを新しくする機会にもなり、ありがたく思っています。
それでは、また次回のレポートでお話をしましょう!
Vidimo se!(またね!)