マレーシア国民大学(2022年7月) - 日本語・日本文化学類 筑波大学 人文・文化学群

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マレーシア国民大学(2022年7月)

2022/08/01 マレーシア 高橋奈々加

Selamat tengahari(マレー語で「こんにちは」の意味)

 日本語・日本文化学類3年の高橋奈々加です。私は2022年の3月から8月まで、マレーシアの首都郊外のマレーシア国民大学(Universiti Kebangsaan Malaysia、略称UKM)に、本学のAIMSプログラム(ASEAN International Mobility for Students Program)を通して留学しています。新型コロナウイルス感染症が完全に終息していない中での留学でしたので、学類を通じて「学生の渡航に関する特別措置に係る申し合わせ」を申請して海外渡航の許可をいただいた上で、感染予防にも細心の注意を払いながら留学しています。

写真1:遠くから眺めた黄色の屋根のモスクが特徴のUKMのキャンパス

 マレーシア国民大学は首都クアラルンプールから電車で1時間程のバンギ(Bangi)という小さな町にあります。バンギは人口のほとんどがムスリムで、毎日定時にアザーン(1日に5回、イスラム教の信徒に対して礼拝の時刻を告げる呼び声)が鳴り響き礼拝が始まります。この町の欠点を挙げるとすれば、英語が使えない場面があったり、治安が悪いと言われていて、海外から来た人にとっては住みにくいことだと思います。一方でバンギにはPasar malamというナイトマーケットや露店が多く物価が安いところや、現地の人々の生活を実感できるところなど魅力が沢山あります。私はこの町が大好きです。

写真2:好きなおかずを自分で盛り付けることができる学食

 UKMのキャンパスは、筑波大学と似ています。キャンパスは広く、大学の無料送迎バスで移動します。猿・リス・野犬・猫など動物が多いことも魅力です!私は留学生用の寮(Kolej Ibu Zain)に住んでいます。寮は清潔で、寮内イベントもあり楽しく生活できます。各寮に食堂がついていて、一食は5〜7リンギット(150〜200円)程度です。イスラム教を基本とする大学であるため、中央にモスクがあり、学食は全てハラルフードです。ラマダン(断食)の時期は、日中、学食や売店が開いていない上、寮にキッチンも無いため、私も「郷に入っては郷に従え」、ほぼ断食状態となりました(笑)。

 授業は言語や文化に関して3科目とマレー語を履修しました。授業は基本的に英語で、補助的にマレー語が使われます。小テストや課題が多く、特にはじめの3ヶ月間、自分の英語力では相当苦戦しました。UKMでは1つの授業につき、インプットの時間と、アウトプットの時間があり、週に2回合計3時間程度授業があります。筑波大学での履修とは異なったため、授業の仕組みを理解し、課題を管理するようになるまで時間が掛かってしまいました。またグループワークや授業中の学生からの発言が多く、海外での授業経験がなかった私には緊張する場面が多かったです。

写真3:ザピンを踊っている最中の様子

 UKMにはUKM global という留学生支援団体があり、留学生数人につきチューター1人が派遣されます。チューターは履修の組み方や大学の施設の使い方を英語で教えます。UKM global の学生は旅行や食事会など色々なイベントを企画しています。私は筑波大学のGot Chatを通して作ったUKM globalの友達とマラッカ(Malacca)やポート・ディクソン(Port Dickson)に行きました。またUKM globalの学生が企画したキャメロン・ハイランド(Cameron Highland)の旅行や、寮が企画したイポー(Ipoh)旅行、サッカー観戦にも参加しました。異文化体験もでき、友達の輪も広がって、とても楽しかったです。

写真4:マレーシアの民族衣装であるバジュクロンを着てハリラヤ(断食明け)を祝う

 6月には、EMGS(Education Malaysia Global Service)の10周年記念イベントでマレーシアの伝統舞踊であるザピン(Zapin)を披露しました!ダンスの指導がマレー語で行われたため苦労しましたが、本番の舞台では楽しく踊ることができ良い経験となりました。またダンスのチームメンバーはとても親しい友人となりました。

 以上、渡航してから僅か4ヶ月あまりの私の留学生活です。新型コロナウイルス感染症の中での留学で、多くの困難もありましたが、留学できて本当に良かったと思っています。本学のグローバルコモンズの方々やマレーシア国民大学国際局の方々、そして担任教員の鈴木伸隆先生、そして日日学類や支援室の職員の方々には、通常の留学以上にお世話になり、大変感謝しております。残り1ヶ月間、これまで身につけた語学力を生かし、後悔の無いよう今まで以上に深く学ぼうと思います。これからも見守っていてください!

Terima kasih(マレー語で「ありがとう」の意味)


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