海外レポートOverseas Report
国立台湾大学(2019年2月)
你好!(ニーハオ / こんにちは)日日3年の鄭茉莉です。
私は2018年9月から国立台湾大学に一年間留学をしています。
みなさん台湾といえば、台北101、九份、小龍包やマンゴーかき氷、また日本にも出店されつつあるタピオカミルクティーなどが思い浮かぶでしょうか。
美味しいものが多く、気候も穏やかで、日本の商品も多数売られているため、生活していると日本で暮らしているのではないかと錯覚しそうな日々です。
台湾での暦は、新暦も使われていますが、基本的に旧暦で動いています。
お正月も新暦の1月1日からスタートではなく、2019年は2月5日からでした。
友人が言うには「1月1日は台北101の花火を見る日」だそうです。
時間の流れは、こうだと誰かに教わったわけではありませんが、当たり前に考えていた暦の読み方が、すべての文化で同じというわけではない、と思うとなんだか不思議な気分です。
この時間の流れが、台湾と日本の生活で大きく異なる文化をつくっているのかなと思います。
地図で見ると沖縄県より少し南に位置する台湾ですが、その地図上の「少し」が、文化や習慣、言語、国際事情などの違いとなって目に見えてくることは、面白いと思います。
台湾での生活、大学生活を通して、地理的に日本と近いはずなのに知らないことが多く存在していると感じます。
特に、日本統治時代の歴史や、台湾と中国の関係などです。
先学期に取った授業の中でこれらの内容に触れる機会があり、毎回学びの多い授業ばかりでした。
日本統治時代については、台湾留学前に個人的に書籍を読んでいましたが、それでも知らないことの方が圧倒的に多かったです。
知らなかったことを知れたことで一つ進歩したとはいえ、新しく知った事実に対して何とも言えない気持ちでいっぱいでした。
台湾にいると、日本や日本人には比較的良いイメージを持っている方が多いのですが、一方で、台湾の歴史に日本が関わっていることは変わりなく、その事実は心に刻んでおかなければいけないと感じます。
それから、台湾と中国との関係にも敏感になりました。
メディアの報道や台湾での生活から、“国とは何か”、誰によって決められるものなのかと深く考え続けています。
私が今、勉強している分野は日本語教育ですが、言語を教える立場に立つからこそ、その国の歴史や他国との関係は知っていなければならないと強く思います。
こういったことは、観光に行くだけでは知ることができないものばかりです。
台湾と日本は、こんなにも地理的に近いのに知らないことが多く、日々学ばなければいけないと痛感します。
留学は、自分の足で赴き、様々なことに挑戦できる環境です。その中で得られる情報は、日本では得られないことばかりです。
今回の留学では、今まで見てこなかった事実と向き合うチャンスがあると個人的に感じています。
留学期間もあと半年を切ってしまいましたが、残された時間を使って様々なことを知る努力をしたいと思います。