日本語・日本文化学類とは?
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シンポジウム「地域社会と多文化共生」Symposium

シンポジウム「地域社会と多文化共生」について

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ここにお届けする報告集は、筑波大学教育戦略推進プロジェクト「学的理念としての「多文化共生」をめざした学位プログラム教育課程の構築」(2017年度~2019年度)として、人文・文化学群日本語・日本文化学類が中心となって取り組んできた成果の一部です。わたしたち学類は日々学士課程教育に取り組むなかで、たんにレディメイドの知識を学生に切り売りするような行いに終始することなく、現今の研究趨勢、社会情勢のなかでどのように羅針盤を動かすとよいか、そのことを学生ともども考えつつある教育組織でありたいと願ってまいりました。おりしも外国人労働者そして帯同家族の問題が大きく前景化してきました。これらの問題については日本語・日本文化学類の35年にわたる歴史において、さまざまに考えられてきたところで、すでに多くの学的蓄積があります。ただしそれらが必ずしも学類の教育理念として明確な形で明示されてきたわけではありませんでした。

わたしたちはこれを機に学類の教育課程を再考し、社会情勢と切り結ぶ形で教育課程を編成し直すことを目指しました。同時に大学特有の研究リソースをいかに社会と連携させるかも模索しました。人文系学問がこれまで社会と結ぶことはそれほど目立たなかったことですし、わたしたちにそのような手立てがなかったのも事実です。学類の教員は言うまでもなく研究者であるわけですから、その研究の成果が教育に生かされるのが理想的な姿です。ただこのたびは方向性が逆であって、社会の趨勢が研究を牽引するようなところがあります。現状では社会と教育と研究とが三つ巴状態となっており、いまだエスタブリッシュな学的理念が見出されているとは言えない状況です。

この3年間には学類外の多くの方々とのめぐり逢いがありました。その関係性の一部がこの報告書です。当初は一学類始発の試みであったのですが、このような多くのみなさんとの貴重な協働によって、わたしたちが目指すものが少しずつではありますが、形を現わしてきた感があります。今回ご寄稿くださった諸賢、およびさまざまな形でご尽力いただいたみなさまに、ひとまずは満腔の謝意を申し述べて、さらなる精進を誓うことで緒言とさせていただきます。

なお本報告書の刊行は、筑波大学人文社会系の助成により可能となりました。

2020年3月25日
筑波大学 人文・文化学群 日本語・日本文化学類長
谷口 孝介

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