学類長のことばMessage
多文化共生化が進む現代日本社会のなかで、学術・教育・生活・文化に関わる諸課題を解決し、生存してゆくためには、目前の現象から出発しつつも、現象のみにとらわれず、課題の本質を透徹しうる総合知が要求されています。わたしたちは日本語教育を基軸としてその問題を広く日本文化の課題として位置づけ探究することを通して、現代社会の諸課題の解決に立ち向かう能力を養成することを目的とします。
そのために、複数の分野の教員による授業科目を多く設けることで、ひとつの事象、課題を多角的・立体的に考察する視点を提供します。とくに国際・協働の科目において、現実に生起する課題に対処する多様な具体的方策を実践的に学ぶことができるよう工夫をしています。
たとえば日本に関係の深い海外の、それほど遠くない過去に目をやることで、わたしたちが無意識に持っている固定観念が揺らいできます。いきなり地球規模的な視野を持つことは不可能ですが、まずは身近な異文化をどっぷりと体験してみることで、自己を構成するモザイクの変動が起こってきます。現今さまざまな局面においてこの社会は異文化を取りこむ必要に迫られています。そのなかで確実に存在していると思っていた「自己」も変容して行かざるをえません。そのような認識を持たず右往左往して流されたり、現実に目を背けたりするだけでは、ますますこの社会は住みにくいものになってしまいます。わたしたちはよりよく生きて行くために、多文化と共生する術を身につける必要があるのではないでしょうか。
