ユライ・ドブリラ大学プーラ(2018年12月) - 日本語・日本文化学類 筑波大学 人文・文化学群

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ユライ・ドブリラ大学プーラ(2018年12月)

2018/12/09 クロアチア 中嶋さくら
大学の外観
大学の外観

2018年3月に日本語・日本文化学類を卒業した中嶋さくらと申します。現在は筑波大学・人文社会科学研究科・国際日本研究専攻を休学し、クロアチア共和国にあるユライ・ドブリラ大学プーラ(通称:プーラ大学)で1年間の日本語教育実習をしています。

クロアチアは南ヨーロッパに位置する観光大国です。美しい海と太陽、そしておいしいワインを求めて、ヨーロッパをはじめ、世界中からたくさんの観光客が訪れます。特に夏の間は、町には外国のナンバープレートを付けた車がたくさん走り、カフェやレストランではドイツ語、イタリア語、英語など、いろいろな言語を話している人を目にします。国同士が陸続きのヨーロッパだからこそ見られる風景かもしれません。

プーラの海
プーラの海

さて、私が今、滞在しているのは、イストラ半島の先端に位置する「プーラ」という町ですが、こちらも海が美しい「ザ・観光地」です。大学から徒歩15分ほどでローマ時代に建てられた円形闘技場(アレーナ)へ行くことができ、夏の間は歩いて海へ行き、エメラルドグリーンの海で泳ぐこともできます。

また、クロアチアはスポーツが盛んな国です。2018年のロシアワールドカップでは、クロアチアチームが初めて決勝進出を果たしましたことも話題になりましたね。もしかしたら、クロアチアチームの活躍をテレビで見ていた方もいるのではないでしょうか。

大学そばの円形闘技場
大学そばの円形闘技場

そんな歴史と観光の町にあるプーラ大学ですが、実はクロアチアで唯一の「日本研究で学位がとれる大学」として2015年に開設されました。現在はクロアチア国内だけでなく、隣国からも学生が集まり、約100名の学生が日本語や日本事情を学んでいます。

学生はアニメや音楽などのサブカルチャーから日本に興味を持った学生が多いようです。(サブカルチャーに関しては私よりもずっと詳しい学生がたくさんいます。)
反対に、ほとんどの学生は日本に行ったことがないため、私たちが当たり前だと思っていることは、学生と話していると、実は当たり前ではなかった、彼らにとっては全くの新しい発見だった、ということがたくさんあります。(例えば、HONDAは日本人の名字だよ、とか、日本では車は左側をはしるんだよ、とか。)

初回の日本語の授業の様子
初回の日本語の授業の様子

日本語の授業は、教科書があり、基本的には教科書に沿って授業をしますが、実習生という立場を生かしながら授業ができればいいなと日々考えています。
例えば、「教える、教わる」の関係が日本語という言語によって固定化しないように、気を付けています。授業の中では、私の体験や日本での生活の話を少しでもとりいれて、そして、クロアチアのことも積極的に学生に質問するようにしています(ただし「日本語で教えてください」という条件付きですが。笑)。
そして、学生が「日本語を使っている!」という実感が得られるようなアクティビティを考えることも重要です。

クリスマス仕様になったエントランス
クリスマス仕様になったエントランス

また、少しずつですが、学生からクロアチア語を習っています。新しい言語を学ぶことがどれだけ難しいか・・・でもお店などで勉強した表現が通じると学ぶ楽しさが倍増します。

日本から片道24時間かかるクロアチアの地で日本語や日本事情について学びたい、と思ってくれる人がいることに日々感謝しながら、また、クロアチアで無事に生活できていることに感謝をしながら、残りの実習生活を送りたいと思います。
次回のレポートでは、クロアチアの生活の詳細などもお伝えできればと思います。
Vidimo se!(またね!)


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