教員の紹介Faculty

杉本 武SUGIMOTO Takeshi
- 人文社会系(文芸・言語専攻)教授
- 日本語学・コーパス言語学
Japanese linguistics/Corpus linguistics
主な担当授業
日本語の語彙(同演習)、言語と論理、コーパス言語学実習 など
研究分野の紹介

私の主たる研究分野は日本語の文法です。その中でも、現代日本語の格(格助詞)や、受動文、自動詞と他動詞といったヴォイスと呼ばれる文法現象を研究対象としています。また、文法との関係の中で、語彙の研究も行っていて、主に動詞の文法的振る舞い、意味の記述を行っています。
研究の手法としては、理論的研究を参照しつつも、特定の理論に拠らない記述的研究の立場に立っています。また、コーパスと呼ばれるコンピュータ上の大量のテキスト・データを用いて、実際の言語使用の中に現れる現象を文法の記述に反映させることを目指しています。
研究業績
- 『いわゆる日本語助詞の研究』(共著、凡人社、1986年)
- 『ワークブック日本文法』(共著、おうふう、1993年)
- 『講座日本語コーパス6 コーパスと日本語』(共著、朝倉書店、2014年)
- 「コーパスに見る類義表現: 「気がつく」と「気づく」」(『文藝言語研究 言語篇』62号、2012年)
- 「原因の「~で」と「~ことで」について」(『文藝言語研究 言語篇』63号、2013年)
これまで指導した主な卒業論文
- 「ちがくない」にみられる動詞の形容詞化
- 「ない」の名詞化において重複する接尾辞サについて
- 副詞的修飾成分の語順と文の階層性との関わりについて
- いわゆる連体詞の研究
- コーパスにおけるオラレルとイラッシャルの使用に関する要因―人物の属性や文体の違いを中心に―
- 有対動詞の自他同構文用法「~を自動詞/他動詞」について
- 談話における無助詞の使用―話者間の関係に着目して―
メッセージ

今でこそ、私の専門は日本語の文法ですが、大学に入るまでは、どちらかと言うと「文法嫌い」でした。漠然と日本語に興味があり、とりあえず言語学の勉強をしておこうと思い、読んだのが田中春美(他)『言語学入門』(大修館書店)でした。この本では、「文の生成」という章で生成文法という言語理論の紹介をしているのですが、それは、それまで「文法」として知っていた活用や品詞分類といった分類的なものではなく、規則の体系によって人間の言語能力を説明するというものでした。文法ではこのようなことも考えるのか、文法っておもしろいものなんだ、と目から鱗が落ちる思いで、文法研究の道に進むことになりました。その意味では、入門書ではあるのですが、私の研究を方向づけた1冊です。 私達は、文法を意識せずに言葉を自由に操っていますが、それでも、頭の中にある無意識の知識である文法に従って言葉を発しています。しかし、その文法は、無意識の知識であるが故に直接意識することはできず、そのため、自明のものでもありません。その隠された文法を言語現象を観察することによって探り出していくことに文法研究のおもしろさと難しさがあります。
